2014年4月12日土曜日

それでも夜は明ける

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
★★★★
 
86回アカデミー作品賞受賞作。南部の農園に売られた黒人ソロモン・ノーサップが12年間の壮絶な奴隷生活をつづった伝記を、「SHAME シェイム」で注目を集めたスティーブ・マックイーン監督が映画化した人間ドラマ。1841年、奴隷制度が廃止される前のニューヨーク州サラトガ。自由証明書で認められた自由黒人で、白人の友人も多くいた黒人バイオリニストのソロモンは、愛する家族とともに幸せな生活を送っていたが、ある白人の裏切りによって拉致され、奴隷としてニューオーリンズの地へ売られてしまう。狂信的な選民主義者のエップスら白人たちの容赦ない差別と暴力に苦しめられながらも、ソロモンは決して尊厳を失うことはなかった。やがて12年の歳月が流れたある日、ソロモンは奴隷制度撤廃を唱えるカナダ人労働者バスと出会う。アカデミー賞では作品、監督ほか計9部門にノミネート。作品賞、助演女優賞、脚色賞の3部門を受賞した。(http://eiga.com/movie/79401/より)
 
黒人奴隷の映画、ということで週末に娯楽を求めて観るものでは当然ないとは頭では分かっていたが、やはり特定の人種や民族が虐げられる映画を観るのはしんどい……(タランティーノの『ジャンゴ』ですらもキツかった)。
 
黒人の奴隷の歴史に関してはほとんど無知だが、時代が時代ならこうも人は残酷になれるのかという部分をまざまざと見せられる。とは言ったものの、今もYahoo!ニュースのコメント欄や匿名掲示板で特定の人種へのヘイトは脈々と続いている。人間の営みの暗部なのだろう。
 
映画としては奴隷として売られた主人公がひたすら絶望的な目に遭う挿話がこれでもかと盛り込まれており、感動というよりはやりきれない気持ちが涙を誘う。
 
出資者としても名を連ねるブラッド・ピットは、「彼がプロデュースを名乗り出なかったら本作の制作はかなわなかった」と言わしめるくらいの功労者なので、当然ながらハンパなくいい役で出演している。
 
彼の登場が物語のターニングポイントなのだが、正直唐突過ぎる印象はあった。
 
…なんだかえらく淡白な感想になってしまったが、一つひとつの挿話は衝撃的なのだが物語の終わり方にもタイトルのような希望を抱くことも難しい、ひたすら心に重く残る一本。

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