2013年10月11日金曜日

CUTS DA COYOTE 『ESCAPE TO PARADISE』

★★★★★

01. INTRO- (pro.HIDEHISA)
02. WATER & OXY feat.JOYSTICKK, JAZEEMINOR (pro.DJBA)
03. ESCAPE TO PARADISE feat.BUGASUMMER (pro.DJBA)
04. ASH TO ASH DUST TO DUST feat.DJ LAW (pro.DJBA)
05. HANDS UP SNEAKERHEADS feat.CAZINO(LUCK-END), OHLI-DAY(ICE DYNASTY) (pro.HIDEHISA)
06. CAN NOT SEE MY WEED (pro.LIL'諭吉)
07. ラブホなう feat.TOP(THUGMINATI) (pro.MONBEE)
08. WOMEN LIE MEN LIE feat.MICHO (pro.LIL'諭吉)
09. SKIT
10. BUGATTI VIRUS (pro.DJ アチャカ)
11. エエエエエエエメラ! feat.EMERALD (pro.DJBA)
12. WILL YOU STAY feat.KOWICHI, NIYKE ROVINZ (pro.YUTO.COM)
13. LIFE IS GOOD feat. MARIN (pro.DJBA)
14. TAKE2 AND 回そう (pro.DJBA)
15. IMAGINATHION feat.DJ601 (pro.DJ601)

エメラルドの首謀者的存在(といつもプロフィールに載っている)であるカッツ・ダ・コヨーテのデビューアルバム。2013年7月10日発売。

個人的年間トップの傑作。僕自身こういった路線の作品を好きになる時が来るとは思わなかったが、まんまとハマった。このままだと本当に年間ベストのトップになるだろう。

Amebreakのインタビューを読むとかなりの下積みを積んでいるようだが、「(専門学生の時)ちょうど、MEGUMIがグラビアに出てた時期で、『でっかいオッパイ……でっかい世界……』みたいなよく分かんない発想で、BIG WORLDってグループを作って」や、「BIG WORLDの後にサムライフってグループを組んだ」(いずれも凄まじいネーミングセンスだ)などといった作品に内在している思考回路は以前から健全だったようで現在組んでいるエメラルドも、「周りのソロでやってたラッパーが、みんなユニットとかクルーを組み出して、そこで取り残された連中が『俺たちもなんか作った方がいいのかな』って組んだのがEMERALDという期待を裏切らない&一貫してブレない姿勢に感動した。

タイトルからも明らかなように本作はとことん快楽主義的な作品で、しかし決して内容は一人よがりではなくラップの向こうにリスナーがいることが意識されている。
その最たるものが先行シングルにもなったM-07だろう。

もはや流行りの言葉でも何でもない単語を曲名に持ってくる図太さもさることながら、実はDAB○の「降臨なう」よりも断然面白く聞かせてしまうセンスの良さ。この一周まわって最早フレッシュに聞かせてしまう感性が素晴らしい‼

ウェッサイの浮遊感を下地に、ひたすら楽園を求めてさまようかのようなカッツのラップは歌詞も聞き取りやすく、リスナーをありとあらゆる手段で陽気にさせようとする。
完全に旬を過ぎた姉妹が題材のM-06、クルーのポッセカットのはずなのにあまりにやる気の無さすぎるフックが逆に印象的なM-11など突っ込みどころ満載だがとにかく楽しく聞ける。

トラックのほとんどを手掛けたforte所属のDJBAも幅広いプロダクションもさることながら、アルバムのど真ん中を支えたLIL'諭吉も相変わらずいい仕事をしている。

程よく力の抜けるよう計算された、非常にクレバーなアルバム。



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