2013年10月6日日曜日

クロニクル


★★★★☆

超能力を手にした高校生たちが、その力に翻弄されていく姿をドキュメンタリータッチで描いたSFアクション。平凡で退屈な日常生活を送る3人の高校生アンドリュー、マット、スティーブは、ある日、特殊な能力に目覚める。手を触れずに女子のスカートをめくったり、雲の上まで飛んでアメフトをしたり、3人は手に入れた力を使って刺激的な遊びに夢中になっていく。しかし、そんなある時、あおってきた後続車両にいら立ったアンドリューが力を使って事故にあわせたことから、3人は次第に自らの力に翻弄され、事態は予期せぬ方向へと発展していく。(http://eiga.com/movie/57805/より)

乙一がTwitterで「面白かった。超能力でスカートめくりしてた。」と言っていたのを見て「最高のおバカ童貞映画だっ‼」と思って観に行くと、モキュメンタリー形式で進むストーリーはバカ具合よりも緊迫感が勝っており、一括りに表現できない映画だ。

というのも主人公のアンドリューがいかにもなナード気質の少年なのだが、いわゆるスコットピルグリム的な「笑える/応援したくなるキャラ」というよりはいかにもイジメにあいそうな少年で、他のオタクを主役にした作品とは深刻度合がかなり違う。
アル中で職を追われた暴力家の父親と、重病で今にも死にそうな母親のもとで生活するアンドリューを見ていると、こっちまで気が滅入ってしまう。

そんな彼が学校のアメフトのスター選手と、唯一の友人(と言っても通学をともにしているだけだが)でいとこでもあるアレックスと超能力を手にするのだが、その後の超能力を「鍛えて」いくシーンは多少コメディ、青春色が強く、楽しんで観られるが(スカートめくりシーンもこの部分だ)、後半になるにつれて……あまり書くとネタバレになってしまうので控えておく。

ラストまでの展開が非常に物悲しく、安易な青春ムービーとは言えない。日本での宣伝文句も『みんな!エスパーだよ』などを引き合いに出しているがあのテンションを求めていくとギャップに驚くだろう」。

しかし「超能力×モキュメンタリー」の切り口は非常に斬新で撮影方法や超能力のアイデアは」とても新鮮で物語そのものよりもこちらにワクワクさせられた。

安直な青春ものではないが、忘れがたい一本になったことは間違いない。

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